■調査の趣旨静岡市制110周年記念事業 静岡『葵』博は、NHK大 河ドラマ「葵〜徳川三代〜」の放映にあわせ、平成12年 1月8日から平破13年1月7日までの1年間にわたって 開催された。全国放映である大河ドラマとタイアップし たことから、来場者は静岡県内だけでなく、全国各地か ら2会場で延ベ154万人の来場者を集めた。 このような大型イベントは、大きな経済波及効果を生 しると言われている。 そこで、当実行委員会では、静岡『襲』博の開催が静 岡県内の地域産業にもたらす経済波及効果を、静岡県産 業連関表を用いて計数的に把握するため、調査を行った。 ■調査機関 財団法人 静岡経済研究所 ■調査方法 今回は、静岡『葵』博の2つの会場において実施した アンケート調査結果をもとに来場者消費支出を推計し、 産業連関分析により、経済波及効果を算出した。 調査時期二平成12年10月5目〜12日、11月2日〜4日 回収結果:配布総数5,000枚、有効回答1,336枚 回答率 26.7% ■実質来場者の推計 静岡『宰』博の来場者は、延べ人数1,547,636人であ るが、両会場とも訪れた人数(駿府城会場において共通 券で入場した人数236,960人)が含まれているため、実 質的な来場者数を1,310.676人と推計した。 ![]() 【算式】1,547.636人−236,960人=1,310,676人 ■来場者アンケート結果 @回答者の性別 回答者の性別は、男女ほば50%ずつで、平均年齢は、 55.9歳であった。年齢構成では60歳以上が48.9%と半数 近くを占めた。 A回答者の居住地 回答者の居住地は、静岡市内19.6%、静岡県中部(静 岡市をふくむ)37.3%、静岡県東部8.8%、静岡県西部 9.2%。静岡県外は44.7%で、広く県外からの来場者を集めたことが わかる。 B訪れた会場 回答者が訪れた会場については、「両会場とも見た」 59.7%、「東静岡会場のみ見た」27.6%、「駿府城会場の み見た」12.7%であった。 C来場の目的 来場の目的は、「静岡『葵』博を見るために来た」 73.9%「旅行ツアーの行程に組み込まれていた」18.3%、 「買物等所用のついでに立ち寄った」5.6%などであった。 D会場までの主な交通手段 県内来場者については、乗用車(44.1%)や・JR・新 幹線(32.7%)の比率が高く、県外来場者については、 貸切バスでの来場(50.6%)が半数を占めた。 E宿泊状況 県内来場者は、97.0%が日帰りであったが、県外来場 者は、50.8%が宿泊をしたという結果となった。 F宿泊場所 宿泊場所は、県内では、静岡市内28.6%、清水市市18.0 %、焼津市内9.9%、熱海・伊豆26.4%となった。 G静岡『葵』博以外のレジャー・消費行動 静岡『葵』博以外のレジャー・行動は、飲食55.2%、 買物48.9%、観光48.3%。県南部・県西部からの来場者 では4割近い人が、県外来場者では8割近い人が、周辺 観光地を訪れた。 H観光で訪れた場所 立ち寄った観光地は、久能山東照宮と焼津さかなセン ターが28.1%と高く、以下、日本平25.6%、静岡浅間神 社25.0%、登呂遺跡19.1%、エスパルスドリームプラザ 18.2%、三保の松原15.2%などであった。 ■来場者1人当り消責支出額 来場者アンケートをもとに、来場者が静岡県内で支出 した交通費、宿泊費、飲食費、土産代などを集計した ところ、来場者1人当り8,710円となった。 会場別に見ると、「駿府城会掲のみ見た」来場者の1 人当りの支出単価が11,710円と高い結果となった。 この要因としては、「買物等の所要のついで」に来場 した人が多かったため、土産・買物費の支出が多かった こと、遠方からの来場者が多かったため、宿泊費の支出 が多かったことか考えられる。 ■来場者1人当り消責支出額 (単位:百万円) ![]() 注)県外からの来場者の交通費は、県内分だけを推計した。 ■静岡県内への経済波及効果 @経済波役効果とは イベントの経済波吸効果とは、イベント主催者の支出 と、来場者の消費支出が、関連する産業の生産活動を増 加させ、さらにそこで働く労働者の所得を通じて波及し ていく生産活動の合計額を推計したものである。 A経済波汲効果は137億7,900万円 静岡『葵』博開催による支出額は、@主催者支出(予 定額)は16億1,000万円、A来場者消費支出額は来場者 アンケート結果をもとに算出した結果、98億7,200万円 と推計され、総支出額は114億8,200万円となった。総支 出額から、商品原価のうち県外生産分など県外流出分を 除いた県内需要増加額は、90億2,300万円となった。 県内需要増加額は、該当する業種の生産を増加させる ばかりでなく、原材料仕入や外注などを通して、他の生 産も誘発していくことにより、産業間の耶引関係を通し て、需要の発生が県内のあらゆる産業へ波汲していく。 こうした特定産業の需要増加による全産業への波汲効果 を、産業連関表を用いて測定したものが第1次生産誘発 額であり、静岡『葵』博においては、117億3,800万円と 推計される。 この結果、各産業の就業者に雇用者所得が発生する。 雇用者所得に一定の比率(平均消費性向)を乗じた分が 家計消費として支出され、さらに一定の比率(県内自給 率)を乗じた分が県内産業の需要増加額となる。これを 第1次と同様の手法で計算したものが第2次生直誘発額 であり、20億4,100万円となった。 経済波及効果すなわち、1次・2次の生産誘発額の合 計は、137億7,900万円である。この中には、県内需要増 加額90億2,300万円が含まれている。 経済波及効果を、県内需要増加額と比較すると、誘発 効果は、1.53倍となった。 また、経済波汲効果を業種別に雇用者1人当り生産額 で割ることによって、雇用誘発数を試算すると、137億 7,900万円の経済波汲効果によって誘発される雇用者数 は967人と推計される。 注1)主催者支出額は、決算確定前の予定金額。 注2)来場者消費支出を求める際の対象人数は、会場別 の来場者数に、来場理由を「葵博をみるため」、「ツアー に組み込まれていたため」とした来場者の割合をかけた。 ■静岡『葵』博の経済波及効果 (単位:百万円) ![]() |